10月22日(金)午後6時から「マルチメディア基礎講座」は59名の参加者を迎えて開催された。3時間に及ぶ研修にも拘わらず、熱心な受講姿勢はこの種の研修に対する関心の高さを物語っているのではなかろうか。

 我が業界は、紙にインクを載せて製品に仕上げることが自らの使命・職と考えて研鑽を積んできたことと思う。が、このたびの研修では世の中の流れ、特に我々業界と回りとの垣根が取り外されつつあること、そして変化のスピードが早くなっていることへの怖れと驚きを隠すことができない。一部動画を手掛けて居られる方を除いては、特に一般印刷業者としては理解を超えていたのではなかろうか。

 テレビゲーム・携帯電話を器用に使う若者達を批判気味に見ていた者としては、今回の研修を受けた後、彼らを少々羨ましく感じた。

 画像を取り扱う業種としては、コンピュータグラフィックもマルチメディアもすべて同一線上にあること、ゲーム感覚なしでは技術向上もままならないのではないだろうか。

 ワンソース・マルチユースなる単語が、我が業界に登場して久しく時を重ねている。一つの原稿から色々な媒体に加工し利用できる、と…。しかし、今できていることは、せいぜいパンフレット印刷したものをPDFでCDに焼き付けて納品するか、ホームページに利用しているかが、関の山なのではないだろうか。

 マルチメディアに対応できる技術の習得もさることながら、マルチユースできる仕事の発掘に、努力を重ねていかなければならない時代が、すぐそこまで来ていることを実感させられ、とにかく刺激を受けた研修会であった。